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飯島 和毅; 戸村 努*; 飛田 実*; 鈴木 康之*
Radiochimica Acta, 98(9-11), p.729 - 736, 2010/11
被引用回数:3 パーセンタイル:17.46(Chemistry, Inorganic & Nuclear)模擬地下水-ベントナイトコロイド-花崗岩の三元系におけるCs及びAmの分配挙動を調べた。花崗岩の添加によりベントナイトコロイドから核種が脱離するのが認められたことから、ベントナイトコロイドに対するCs及びAmの収着挙動は可逆であった。また、イオン交換と表面錯体反応に基づき、ベントナイトコロイドの高いエッジサイト密度を考慮した収着モデルにより、三元系におけるベントナイトコロイドへの核種収着挙動を説明することができた。
舘 幸男; 中澤 俊之*; Ochs, M.*; 四辻 健治; 陶山 忠宏; 清田 佳美; 山田 憲和*; 油井 三和
Radiochimica Acta, 98(9-11), p.711 - 718, 2010/11
被引用回数:25 パーセンタイル:84.21(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性廃棄物地層処分の安全評価において重要となる圧縮ベントナイト中の核種の収着・拡散挙動を把握・評価するため、圧縮モンモリロナイト中のNp(V)の収着・拡散挙動に及ぼす炭酸濃度と塩濃度の影響を、実験とモデルの両面から調査した。密度800kg/mの圧縮モンモリロナイト中のNp(V)の実効拡散係数()と分配係数()が、塩濃度(0.05, 0.5MのNaCl)と炭酸濃度(0, 0.01MのNaHCO)の異なる4種類の条件下で取得した。炭酸が存在しない系ではは塩濃度とともに減少し、炭酸共存系では逆の傾向を示した。は炭酸が共存する系で1桁減少する結果が得られた。これらの収着・拡散挙動は、地球化学平衡計算,イオン交換と表面錯体反応を考慮した収着モデル,狭隘間隙中の電気二重層を考慮した拡散モデルによって解釈された。現象論収着・拡散モデルが、圧縮系での複雑な化学種の収着・拡散挙動の予測評価に有効であることを示した。
清田 佳美; 寺島 元基; 舘 幸男; 飯島 和毅; 中澤 俊之*; 山田 憲和*; 油井 三和
Radiochimica Acta, 98(9-11), p.703 - 709, 2010/11
被引用回数:3 パーセンタイル:24.08(Chemistry, Inorganic & Nuclear)フミン物質共存下で堆積岩におけるEuの収着,拡散挙動について調べた。拡散挙動はリザーバー減衰拡散試験法により観察した。リザーバーにおける核種濃度の減衰曲線から、フミン物質と核種の間に錯形成などの相互作用が働いているものと推察された。一方、リザーバー内のフミン物質濃度の有意な減少は認められなかった。フミン酸の共存によりEuの岩石に対する収着量が低下する条件があることが明らかとなった。Euの収着,拡散挙動は、フミン酸の影響を受けることが明らかとなった。
寺島 元基; 清田 佳美; 岩月 輝希; 飯島 和毅; 吉川 英樹; 油井 三和; 長尾 誠也*
no journal, ,
土壌や河川に由来する腐植物質の金属イオン結合能についての知見は、必ずしも深部地下環境に由来する腐植物質に適用できるとは限らない。本研究では、幌延深地層研究センター敷地内地下水から腐植物質を分離・精製し、蛍光消光法により地下水に由来する腐植物質のEu(III)結合能について調査した。結果、深部地下水に由来する腐植物質は、Aldrichフミン酸とは異なる結合能を有することを明らかにした。
青柳 登; 長縄 弘親; 木村 貴海
no journal, ,
水溶液中における3価ランタノイド-クエン酸錯体の化学種分布と配位構造に関する研究を電位差滴定、NMR, TRLSによって行った。化学種分布を滴定によって明らかにした結果、Lu錯体において単核・複核錯体形成が認められた。他のランタノイドも同様の錯体を形成することがわかり、NMRによる配位子の配座情報とTRLSの発光寿命測定の結果と整合させることで、Euで単核と3核錯体構造が決定された。複核錯体内ではカルボキシル基の配位状態は複数存在するが大きくは2分される。この錯体では77Kに冷却すると中心金属由来のピークの分裂した発光スペクトルが観測された。複核錯体内では単核錯体では見られない対称性を有しており、きわめてユニークな発光挙動を示すことがわかる。ヘテロ金属の複核錯体も生成すると考えられ、TbからEuへの光エネルギー移動が認められた。
石田 圭輔; 木村 貴海; 斉藤 拓巳*; 田中 知*
no journal, ,
時間分解レーザー蛍光顕微鏡(TRLFM)は蛍光体の強度,位置,種類及びそれを取り巻く化学環境を同時に研究するための有効なツールである。本研究では、天然の不均質な表面へのEu(III)の収着挙動の研究にTRLFMを適用した。Eu(III)は真壁花崗岩及びその構成要素(黒雲母,斜長石,カリ長石及び石英)の表面上に異なる化学種で収着し、黒雲母,斜長石及び石英には不均質に、カリ長石には均質に収着した。Eu(III)の蛍光減衰率のヒストグラムから、黒雲母には単一の化学種が、斜長石とカリ長石には共通する二種類の化学種が存在し、真壁花崗岩の表面へのEu(III)の収着は極めて不均質であることを明らかにした。
大貫 敏彦; 鈴木 義規; 南川 卓也; 香西 直文; Francis, A. J.*
no journal, ,
6価ウランの微生物による酸化還元反応への有機酸の影響を調べた。その結果、溶液中のウラン濃度が減少する有機酸としては酢酸が、減少しない有機酸としてはクエン酸,EDTA,シュウ酸があることがわかった。紫外可視分光により溶液中のウランの化学状態を調べた結果、ウラン濃度が減少しない場合にも6価ウランが4価に還元され、ウラン(IV)-有機酸錯体として可溶性の化学種として存在することを明らかにした。
佐藤 治夫
no journal, ,
幌延深地層研究計画では、地層処分における処分技術の信頼性向上と安全評価モデルの高度化の一環として、緩衝材や埋め戻し材として使用予定のベントナイトの物理化学特性について研究している。Na型ベントナイト構成粘土鉱物のNaモンモリロナイトの層間距離や外部間隙は、モンモリロナイト密度や接触する溶液の塩濃度が増加すると変化することがわかりつつある。この現象は、塩水系地下水条件でのベントナイト中の核種の拡散,透水,膨潤,シーリングなど、各種メカニズムの理解やモデルを構築するうえで重要な基礎データである。著者は、これまでにNaモンモリロナイトの層間水の自由エネルギー(dG)と含水比との関係を定式化し、ベントナイトの膨潤圧を計算する熱力学モデルを構築した。本研究では、その関係に基づいてNaモンモリロナイトがさまざまな塩濃度の地下水と接触した時の層間水のdGから含水比を求めることで層間距離の計算を試みた。具体的には、塩濃度に対するモンモリロナイト積層部の平均密度を計算し、層間距離に変換した。塩濃度の増加に伴い平均密度は増加し、例えば、0.5M-NaClでは初期に0.5kg/dmの密度が1.05kg/dmまで増加した。この密度変化は層間距離の減少と外部間隙の増加に起因した情報を含んでいるため、さまざまな塩濃度に対して層間距離が計算できるものと期待される。塩濃度に対する層間距離の変化についてはほとんど報告値がないが、計算結果は既存の報告値と整合している。
佐藤 治夫
no journal, ,
幌延深地層研究計画では、地層処分における処分技術の信頼性向上と安全評価モデルの高度化の一環として、緩衝材や埋め戻し材として使用予定のベントナイトの物理化学特性について研究している。Na型ベントナイトの構成粘土鉱物のNaモンモリロナイトに着目し、モンモリロナイトの層間水と、異なる塩濃度の溶液の水の熱力学データに基づいて、モンモリロナイト含有率や珪砂混合率の異なるベントナイトがさまざまな塩濃度の地下水と接触したときの膨潤圧を求めることができる熱力学モデルを構築した。解析は、実測値が報告されているさまざまな溶液条件(蒸留水,NaCl溶液,人工海水,幌延地下水)に対して行い、実測値と比較検討した。膨潤圧の解析値は、塩濃度の増加に伴い低下した。この傾向は、一般にベントナイトの膨潤圧が塩濃度の増加に伴い減少するという知見とも一致する。実測値は、可溶性鉱物の溶解による間隙水のイオン強度の増加の効果も含むと考えられるため、塩濃度の影響は明確には見られず、バラツキの範囲内である。計算結果もこの範囲内であり、塩濃度の影響はこの範囲内であると推定される。このモデルにより、さまざまな塩濃度の地下水で飽和されたときの、Naモンモリロナイト含有率や珪砂混合率の異なるベントナイトの各乾燥密度に対する膨潤圧を計算することが可能となる。さらに、エンタルピーとエントロピーデータを考慮すれば、飽和条件でのTHMC連成計算が理論計算で可能となる。
石田 圭輔; 斉藤 拓巳*; 青柳 登; 木村 貴海; 長崎 晋也*; 田中 知*
no journal, ,
マイクロ秒時間分解レーザー発光分光法によってカオリナイト表面に吸着したEu(III)錯体の吸着反応に伴なう構造変化を観測した。Eu(III)はマイナーアクチニドの化学アナログとして用いた。カオリナイトは放射性廃棄物の処分場と想定される地帯に広がっている天然鉱物である。1:1のアルミノシリケートであるこの鉱物中のシロキサン面とギブサイト様の端面に吸着した構造をpHや塩濃度を変えることで制御し、その様子をレーザー誘起発光によって観測した結果、内圏型と外圏型の吸着形態が分離できた。
佐尾 宏和*; 石田 圭輔; 斉藤 拓巳*; 青柳 登; 長崎 晋也*; 田中 知*
no journal, ,
ランタノイド・アクチノイドの溶液中における化学状態は時間分解型レーザ蛍光分光法やX線吸収分光などさまざまな分光手法を用いて評価されている。その際に複数の吸着種の共存や鉱物表面の不均質性のために、計測されたスペクトルから溶液中や固体表面における化学種の数,量的変化などの情報を得るには困難が伴う。本研究では、多成分系である鉱物表面における放射性核種の吸着挙動の解明を行う。多様な化学状態をとるウラニルと単純な構造で核種の吸着モデルとして有用なアルミニウム酸化物であるギブサイトの吸着系に着目した。用いたレーザー分析法は、試料中における対象とする金属イオン濃度が他の分光手法に比べて低い条件で測定可能である。加えて、計測にあたり試料の前処理が必要ないため、天然環境条件下での観測が可能となる。こうした系にPARAFACを適用し、その成分抽出法を確立した結果、化学種を解析上分けることが可能になった。
北村 暁; 藤原 健壮; 柴田 雅博; 舘 幸男; 土井 玲祐; 吉田 泰*; 山口 徹治; 油井 三和
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベースについて、その基本計画を策定した。対象となった元素は、地層処分の性能評価上重要なアクチニド,核分裂生成物及びそれらの娘核種など24元素である。基本計画は、経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)のガイドラインに準拠しているが、熱力学データの信頼性が十分でなくても性能評価上重要となる化学種について、化学アナログやモデルなどを用いて暫定値を選定するためのガイドラインを策定した。本稿では、基本計画とともにコバルト,ニッケル,パラジウムの熱力学データ選定状況を紹介する。
Ochs, M.*; Kunze, S.*; Dahinden, M.*; 舘 幸男; 油井 三和
no journal, ,
放射性廃棄物処分におけるベントナイト人工バリア中の放射性核種の遅延を評価するための熱力学的収着モデルを、モンモリロナイト及びベントナイトへの重要核種Ni(II), Am(III), Th(IV), Np(V), U(VI), Se(IV)の収着現象を対象として、幅広い環境条件への対応も念頭に開発した。モデル開発の主眼は、できるだけ単純なモデルの選定と、モデル概念と基本パラメータの一貫性のある取り扱いであり、1サイトの表面錯体/拡散層モデルと1サイトのイオン交換モデルを組合せたモデルを選定した。このモデルの基本パラメータは、0.01/0.1/0.5MのNaCl溶液系で取得された酸塩基滴定データに基づき評価した。さらに、既報文献中の収着データを用いて、核種の収着反応の基本定数を導出した。収着モデルとパラメータは、独立したデータセットを用いて検証を行うとともに、さまざまな放射性核種及び環境条件でのデータへの適用性が評価された。